モノに振り回されずに生きたい

 世の中にあふれているモノに振り回されず生きたい――。そんな消費者の気分を捉えてベストセラーになったのが、辰巳渚さんの「『捨てる!』技術」でした。  

 今の消費者は安さや高級感では動かず、自分が価値を認めたときだけ買う傾向があります。背景には、大量生産・販売の米国流マーケティングによって本当なら要らないモノまで買わされてきたことへの反発でしょう。  

 そこには、日本ならではの商いが消えていくことへの嘆きもあるはずです。お祭りめく季節商品の特売や親しみやすいチラシに頼らず、固定価格でとにかく安く売る〝米国流〟の手法が日本の消費者から買い物の楽しみを奪っていきました。  

 要するに、〝米国流〟は日本の消費者の心の襞(ひだ)を読むという商売ではなかったのです。

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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