パッと検索して得られる答えの価値は知れている

 1995年、「ウィンドウズ95」が発売され、その年以降に生まれた人たちはパソコン、携帯電話、スマートフォンと、ネットやデジタル機器に囲まれて育ってきました。だからバブル経済の熱気を知らなくても、情報への感度が高い世代といえるでしょう。  

 この世代は、誰もが当たり前のように情報を発信します。しかし、人を頷かせ、なるほどと思わせる言葉や映像を世に問うのはなかなか大変なことです。傍から見ていると、「同じものを買った。食べた」といった浅いところで繋がっている感じです。  

 人生の残り時間の長さは、若者の特権です。ただ、疑問や不満に対し、パッと検索して得られる答えの価値は知れています。そこで大事なのは立ち止まり、じっくり考え、道を探すといった習慣を身に着けることでしょう。  

 バブル期の女子高生は「ホントー」「ウッソー」を連発し、団塊世代の大人たちの〝ひんしゅく〟を買っていました。この「ホント?」という命題の真偽への問いは、今や貴重に感じられます。  この点、最近の若者は「マジっすか?」と真偽ではなく、発言者の本気度に対する疑問を呈します。これも、世相を映す鏡でしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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