ビッドコインの誕生は時代の要請か?

 2008年、ビットコインの考え方が世のなかにお目見えしました。サトシ・ナカモトと名乗る人物が、この電子通貨の基礎となる論文をネット空間で発表したのです。日本人っぽい名前ですが、今もって本当のところ誰なのか、一人なのか、複数なのかもなお不明です。  

 08年といえば、まさにリーマン・ショックの年です。米国を震源地とするグローバルな金融危機は、長く基軸通貨の座にあった米ドルへの信認を損なった面もあります。  

 発行量に絶対的な上限があるという仮想通貨ビットコインは大変な量の計算で〝採掘〟され、そうした状況で産声をあげたわけです。とても、偶然ではなかったようにも見えます。  

 リーマン・ショックは、1929年に始まった〝世界大恐慌〟以来ともいわれました。しかし、実体経済への影響は大恐慌ほど深刻にはならずに済んでいます。最大の原因は、米連邦準備理事会(FRB)を初めとして主だった国の中央銀行が〝異次元〟の金融緩和を推し進めたことでしょう。  

 これは世界不況を避けるには適切でしたが、ビットコインにとって良かったか悪かったか判断の分かれるところでしょう。  

 ドルやユーロ、円が空前の勢いで市中に供給されるなか、ビットコインは通貨としてよりも投機の対象として普及してきた印象があります。あげくが一昨年の暴騰と昨年初めからの暴落といえるでしょう。  

 そして足元では、株式相場が激しい変動を演じています。リーマン・ショックからやがて10年以上経ちますが、金融の世界は相変わらず不安定です。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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