「ゲバ字」の消滅が物語るもの

「ゲバ字」とは、学園紛争が盛んなころビラや立て看板に躍っていた独特の書体です。字形は極端に角張り、闘争を斗争、万歳を万才などと略字で書き、いかにも物々しい雰囲気を伝えていました。これは、中国の文化大革命に登場した「大字報」の影響もあったのでしょう。  

 かつて全国どこの大学へ行っても、この手のタテカンが散見されました。しかし、活動家学生が口にしたゲバルト(暴力)なる言葉が世間でどんどん縁遠いものになり、ゲバ棒もゲバ字も昨今はほとんど目にしません。 「ゲバ字」の消滅は、何を物語っているのでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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