母シャチが子ども死骸に寄り添って泳ぎ続けている

 太平洋東部で死んだ子どもを追悼しているとみられる母シャチが、子どもの死後2週間以上が経過した今も死骸に寄り添って泳ぎ続けていることが分かりました。  

 米海洋大気局(NOAA)で西海岸地域を担当するマイケル・ミルスタイン氏は、こう語ります。

 「見ていると胸が張り裂けそうだ」  

 こうした「追悼」ともみえる行動は以前にも観察されていますが、今回のような長期にわたるケースは異例だといいます。  

 母シャチと子どもの死骸が最後に確認されたのは8月9日午後のことで、子どもの生後17日が経過していました。この子どもは、生まれて数時間で死んでいることが確認されています。  

 それでも母シャチは、カナダや米北西部沿岸の海域で海底に沈んでいこうとする子ども死骸を繰り返し水面に押し上げているのです。  

 シャチは高度に社会的な動物であり、母シャチの属する群れはカナダ・バンクーバーに近い海域で8月10日午後に目撃されました。  

 群れは約75頭で構成されているが、過去3年間で無事誕生して成長できた子どもは1頭もいません。過去20年では、無事に育った子どもは25%だけでした。  

 科学者によると、クジラやイルカ、ゾウ、シカといった哺乳類の間では悲しみに暮れる様子がごく普通にみられるそうです。  

 シャチの場合、脳が大きく複雑で、感情をつかさどる部分が高度に発達していることを示す証拠もあるといいます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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