タダで他人の成果を横取りする

  AFPなど欧州の9つの報道機関は今年5月13日、米グーグルや米フェイスブックなどインターネット大手について、掲載する他社のニュースコンテンツから多額の収入を得ているとして著作権料を支払うよう欧州連合(EU)に強く訴えました。  

 EUは現在、自社サービスを通じて膨大なニュースを提供しているグーグルやフェイスブック、米ツイッターなどに対し、対価を支払わせることについて議論しています。  

 仏紙ルモンドは、こう批判しています。 


「フェイスブックは世界最大のメディアになっている。しかし、フェイスブックやグーグルには報道部門がない。シリアで命をかけて取材しているジャーナリストもいなければ、ジンバブエでロバート・ムガベ氏の大統領辞任について調査する支局も持っていない。現場で取材している記者からもたらされた情報をチェックする編集者もいない」  


 フェイスブック利用者の間では、ニュースの閲覧は家族や友達と近況を報告し合うことに次ぐ2番目の理由となっているにもかかわらずです。  

 しかし、広告収入の60-70%はネット大手が吸収しており、こうしたネットサービス企業が報道機関の「他人の仕事」で巨額の利益を得ている格好となっているのです。  

 フェイスブックの昨年の利益は前年度比3倍の100億ドル(1兆2700億円)に達しており、グーグルの広告収入も1年で2割増えています。  

 一方、仏ニュースメディアの昨年の広告収入は9%減少し、業界にとっての「惨事」となっていました。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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