イギリスに孤独担当相が誕生、本当に必要なのは日本
今年1月、イギリス政府が「孤独担当相」を新たに設けています。
イギリス政府によると、約20万人の高齢者が1か月以内に友人や親族と会話をしていなくて孤独を感じているそうです。その数も週に一度なら、約36万人と一気にアップします。
この点、日本は20年後、一人暮らしの割合が4割なるとされています。つまり、日本でも孤独と社会的孤立は無視できない社会的な問題になると危惧されているのです。
出版界では今、ちょっとした孤独ブームで、『世界一孤独な日本のオジサン』(岡本純子)、『男性という孤独な存在』(橘木俊詔)、『孤独の科学』(ジョン・T・ カシオポ)など次々と刊行されています。
なかでも『世界一孤独な日本のオジサン』には、孤独についてこう指摘されています。
「ありとあらゆる病気を引き起こす可能性のある最も危険なリスクファクターである孤独」
同著によると、孤独のリスクは1日当たりタバコを15本吸うことに匹敵するといいます。この危険度は、肥満の2倍にも相当するというのです。
さらに孤独は心疾患のリスクを3割も高め、2割も早いペースで認知機能を衰えさせるといいます。そして、アルツハイマーになるリスクも2倍になるとされています。
つまり、いくらタバコを控え、過度な肥満にならないように運動やダイエットに励んでも、孤独というだけで元も子もなくなってしまうのです。
同著では、「世界一孤独な国民」は日本人だと指摘されています。
日本人は、色々な国際比較データを見ても家族以外のコミュニティとのつながりが薄く、社会の結束力や人間関係の豊かさを示す「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の指数が149か国中101位という低さです。
しかも、年齢を重ねると不幸に感じる人が増えていくのは、先進国では日本だけだといいます。まさに日本は孤独が国民病となっていて、とくに注意が必要なのが中高年の男性だと指摘されているのです。
確かに周りを見渡しても、現役を引退後、家族の中で「粗大ごみ」と化して引きこもったり、妻に先立たれて生きる意欲をなくしたり、近所や地域に溶け込めなかったり、日ごろ自慢話やクレイムばかりで「老害化」していたりする男性が多いのも確かです。
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