十人十色

 十人十色と言いますが、人の性格はそれぞれ違っています。  

 カナダ出身でアメリカの精神科医として活動したエリック・バーン氏は、「どんな人でも5つの顔を持っている」と指摘しています。  

 精神分析の簡易版と言われる「交流分析(Transactional Analysis)」は、バーン氏が創始者です。  

 交流分析とは、人の性格の特性やコミュニケーションのパターンを分析する手法です。  

 なかでも人の精神構造を3つの自我に分け、それを分析する性格テストである「エゴグラム(Eegogram)」は有名です。  

 それぞれ人生の大まかな計画である「人生脚本」は、交流分析によると幼少期の親子関係や早期決断によってつくられるといいます。  

 エコグラムで言うところの自我の状態には、以下の5つがあります。


 ○批判的(Critical Parennt)な親の顔

(ルールや社会規範を守ろうとするとき親の顔で、支配的、権威的、道徳的な自我の状態を指している)

 ○擁護的(Nurturing Parent)な親の顔 

(優しさや思いやり、包容力があるときの親の顔で、保護的、共感的、寛容的、情緒的な自我の状態を指している)

 ○大人(Adult)の親の顔

(感情に左右されずに計画的、合理的に考えているときの親の顔で、客観的な現実認識や功利的な損得勘定などができる自我の状態を指している)

 ○自由な子ども(Free Child)みたいな親の顔

(自由な発想力や豊かな感受性が出ているときの親の顔で、自由、無邪気、天真爛漫、感覚的、遊び心などが表れている自我の状態を指している) 

○従順な子ども(Adapted Child)みたいな親の顔

(協調性があり、周りに合わせることを大事にするときの親の顔で、協調性、従順さ、素直さなどが表れている自我の状態をさしてる)     


 たとえば会社で鬼上司と呼ばれている人が、家庭では意外と恐妻家ということもあります。それは仕事では「大人の親の顔」、家では「従順な子どもみたいな親の顔」が表れているということでしょう。  

 5つの自我の状態のバランスが崩れると、不安定な性格になってコミュニケーションでトラブルを起こしやすくなります。  

 ただ、バーン氏によると自我の状態に優劣はないといいます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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