失敗も選択肢の一つ

 宇宙ベンチャー企業のスペースX社は、打ち上げたロケットの海上回収に成功しています。同社の共同設立者でCEOのイーロン・マスク氏は、電気自動車を開発、販売しているベンチャー企業テスラモーターズの会長兼CEO。  

 マスク氏は、ロイター通信のインタビューにこう答えています。 

「『失敗という選択肢はない』というバカバカしい考え方がNASAにはあるようだが、スペースXでは失敗は選択肢の一つだ。何も失敗していないとすれば、十分にイノベーションを起こしていない証拠だ」  

 従来のロケットは、すべて使い捨て。  

 マスク氏は、ロケットを回収することで打ち上げ費用を100分の1にすることを目指しています。そして、スペースX社は打ち上げたロケットの海上回収に初めて成功するまで4度も失敗しているのです。  

 ただ、「失敗は選択肢の一つ」と言うマスク氏にしても、何も「失敗という選択肢はない」という言葉の本質を理解していないわけではありません。  

 ロケットの打ち上げや原発の稼働など巨大システムの運用では、もちろん人命第一という安全性の重視が欠かせないことをわかったうえで言っているのです。  

 その文脈で、スペースX社のような「失敗は選択肢の一つ」という観点からの挑戦も安全性を確保するための技術の進歩を考えると欠かせないということ。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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