「人は必ず裏切る」ということを知るべき
「自傷」は、随分前から若者の間でありふれた現象となっている。自殺以外の意図で自らの身体を傷つける行為を指し、よく知られているのはリストカット。
ある調査では10代の1割に自傷経験があり、そのうちの約6割は10回以上繰り返しているとの結果も出ている。
ただ、自傷ほど誤解されている行為もない。たいてい「甘えている」「弱い」「人の気をひこうとしている」とみられるが、自傷の主な目的は怒りや不安、絶望感といった辛い感情を和らげることにある。
そして自傷する人の大半は一人きりのときに実行し、それを誰にも告げない。つまり、自傷とは周囲の関心を引くのとは正反対の行為で、むしろ困難な状況を独力で生き延びるための行動なのだ。 自傷する人は、こう信じ込んでいるところがる。
「人は必ず裏切る。でもリストカットは絶対に裏切らない」
生きていくことは、そう簡単なことではない。
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