「人は必ず裏切る」ということを知るべき

「自傷」は、随分前から若者の間でありふれた現象となっている。自殺以外の意図で自らの身体を傷つける行為を指し、よく知られているのはリストカット。  

 ある調査では10代の1割に自傷経験があり、そのうちの約6割は10回以上繰り返しているとの結果も出ている。  

 ただ、自傷ほど誤解されている行為もない。たいてい「甘えている」「弱い」「人の気をひこうとしている」とみられるが、自傷の主な目的は怒りや不安、絶望感といった辛い感情を和らげることにある。  

 そして自傷する人の大半は一人きりのときに実行し、それを誰にも告げない。つまり、自傷とは周囲の関心を引くのとは正反対の行為で、むしろ困難な状況を独力で生き延びるための行動なのだ。   自傷する人は、こう信じ込んでいるところがる。 

「人は必ず裏切る。でもリストカットは絶対に裏切らない」  

 生きていくことは、そう簡単なことではない。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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