差別をしたがる人間

 人は、何かと差別をしたがります。  たとえばインドの伝統的な階級制度であるカースト制度では、出自によって数千の集団に分けられています。ヒンドゥー教の影響で今でもバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラなど歴然とした身分差別があります。  

 16年2月、インド北部のハリヤナ州ロータクでカーストの優遇措置の適用を求めるデモが暴徒化し、治安部隊と衝突。地元メディアによると、治安部隊の発砲などで少なくとも3人が死亡、多数の負傷者が出ています。  デモを起こしたのは、ジャートと呼ばれる農民中心のカースト集団。彼らは公務員の採用や大学入試などで、低カーストを優遇する制度の適用を求めたのです。  

 低カースト層は差別の対象になってきたため、政府は公務員の採用などで特定のカーストを優遇。だが、上位カーストから「逆差別」との批判もあり、カースト単位のデモがたびたび発生しているのです。  

 日本でも最近、人間関係での上下関係をカーストと呼ぶ風潮もあり、学校や家庭ではスクールカーストといった呼称も広がっています。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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