今の日本の経営者には経営哲学が感じられない

 江戸時代、武士には武士道という高い倫理観があり、世の中の治安を守るといった強い使命感を持っていたといいます。  

 経団連の2代目会長だった石坂泰三氏は、国民の生命と財産を守るべき自民党が派閥抗争に明け暮れ、国政をないがしろにしていたことに怒り、鳩山一郎首相の自宅に乗り込み退陣勧告を突きつけています。  

 4代目会長だった土光敏夫氏も、「料亭では本当の話ができない」という高いモラルを持ち、仕事が終わるとサッと帰宅し、夜の宴会には一切顔を出なかったといいます。自宅の造りも質素で、メザシが好物だったというのは有名な話です。  

 5代目会長だった稲山嘉寛氏も、雇用問題で「いかに雇用を維持するか」という姿勢で労使交渉に臨んでいたそうです。  

 その点、今の日本企業は経費削減のためにひたすら人件費を削り、不安定な非正規社員を増やす一方です。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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