猥雑さのない街並みはつまらない

 街並みが変わることで、古い文化が衰退していくこともあります。   

 台東区浅草にある通称「浅草六区」には明治以降、映画館や劇場が次々と誕生。庶民の芸能と娯楽の拠点として戦後まで繁栄を誇り、飲食店では昼間から得体のしれない雑多な人々がお酒を楽しんでいました。  

 その時期、混沌とした「いかがわしい浅草文化」の隆盛期。だが、テレビの普及とともに映画館や劇場は次々と閉鎖に追い込まれ、浅草文化は衰退していったのです。  

 その後、ふたたび一帯は賑わいを取り戻し、通称「煮込み通り」にも大勢の若者が足を運ぶようになっています。ただ、昔のような猥雑さはありません。  

 ソバ屋は、創業が古いからといって「ソバが美味しい」とはかぎりません。暖簾の古さだけにあぐらをかいていると、やがて顧客から見放されてしまいます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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