キャリアはアップするのではなく根づかせるもの

 シリコンバレーでは、スタンフォード大学など高等教育機関が事業イノベーションにおいても重要な役割を担っているといいます。  

 学校教育にしても児童や生徒、学生に一律の能力を求めずに、それぞれの個性をいかに伸ばしていくかというところに焦点が当てられているのです。  

 そこでは既存の正解を求めさせるのではなく、自分で考えた興味のあることに徹底的に取り組ませているそうです。  

 なかには、デザイン思考を中心としたスクールも用意されています。こちらでは自由なアイデアと考えを基にして、いかに仲間とのコラボレーションによって創造性を高めていくかといったことを学んでいくといいます。  

 正解のない世界で答えを自分で導き出していくという教育が実施され、子どものころから心の体幹を鍛えているというわけです。  

 日本では、このところグローバルな人材の育成が唱えられています。ただ、英語が堪能な人、留学経験のある人がすべてグローバルな人材になれるわけではありません。  

 グローバルな人材には英語を学ぶ以前に、どんな境遇に遭遇してもうまく対応し、それに耐えられるような心の体幹を鍛えておくことが先決。その後、ヤンキー魂で心を武装していくと鬼に金棒というものです。  

 英語にキャリアデベロップメントという言葉はありますが、日本で使われているキャリアアップという言葉はありません。  

 そもそもキャリアとはアップしていくものではなく、自分の人生に深く根を張りめぐらせていくものです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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