赤文字系と青文字系

 今の時代、女性を一括りで語るのが難しい状況になっています。 

 少し前なら、ファッション業界には蛯原友里氏(エビちゃん)や押切もえ氏(モエちゃん)のような強力なロールモデルが存在していました。  

 たとえばエビちゃんは、20代前半の女性を主要な読者層にしている女性ファッション誌『CanCan』の専属モデルとして一世を風靡。そうしたエビちゃんのような確固とした主流がいないのが今という時代なのです。  

 一方、モデルで歌手の「きゃりーぱみゅぱみゅ」氏は、日本の「カワイイ」文化の世界的なアイコンとしての地位を獲得。アイコンとは、憧れの的となる象徴的なものという意味。  

 きゃりーぱみゅぱみゅ氏は、青文字系と呼ばれるファッション雑誌の代表的なモデルで多くの若者の支持を集めています。  

 青文字系のファッション雑誌には、『non・no』、『MORE』、『Zipper』、『sweet』などがあります。  

 そうした雑誌が主導するファッションは、奇抜で派手なゴスロリ系やビジュアル系、ストリート系といったもの。男性の目を意識したフェミニンさはなく、男性に媚びないガーリーさがあります。   カジュアルで親近感が湧きやすく、手軽にお手本にしやすいのが人気の理由。主に、10代後半から20代前半の女子に支持されています。  

 一方、赤文字系とはキレイ系のファッション雑誌の総称。そうしたファッション雑誌には、『JJ』、『ViVi』、『Ray』、『CanCan』などがあります。  

 赤文字系の読者モデルは、キレイ系のプロのファッションモデルの延長線上のポジションをイメージさせます。  

 それで青文字系のファッションは赤文字系を凌駕するような勢いで、まさに傍流が主流を侵食しているといった様相を見せているのです。  

 そうした「傍流が主流を侵食する」といった流れは、いろいろな分野で今後も続々と生まれてくるでしょう。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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