人の顔は履歴書

 人の顔は、人生を積み重ねてきた履歴書のようなものです。たとえば気骨のある人の顔は、内面からにじみ出てくる深みさえ感じさせます。  

 最近、日本人の顔に魅力がなくなってきたといった声も聞かれます。 

「日本人の顔に気骨が感じられない」  

 言われてみると、覇気のないノッペリとした顔が増えているような気もします。  

 その点、敗戦の瓦礫の中から日本経済を復興させてきた松下幸之助氏や石坂泰三氏、土光敏夫氏といった人たちは、ヤンキー魂に満ちた気骨のある顔つきをしていました。  

 染料の藍で染められた衣服は、何度も洗っているうちに味わいのある色に変わっていきます。木綿や麻の衣服も、着れば着るほど風合いを帯びてきます。  

 人の顔もまた、人生の荒波に何度も洗われているうちに味わい深い気骨のある顔になっていくのです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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