妻問婚(つまどいこん)と百鬼夜行
平安時代、貴族は歴に書かれた吉凶によって行動していました。だから「忌夜行」と呼ばれる日時には、できるだけ外出を控えていたとされています。
明かりを灯すための油が貴重だったので、庶民は夜になると寝るしかなかったといいます。ただ、貴族は油を用意できるので夜になっても行動することができました。
ただ、明かりといっても光量はほとんどなく、かろうじてすぐ近くが見える程度だったそうです。 当時、婚姻の形態は夫が妻のところに通う「妻問婚(つまどいこん)」。貴族が夜、あえて出歩いていたのは妻に会うためです。
そんな貴族でも、暦で悪いとされる日には出かけなかったといいます。日が悪いのに出かけたために、百鬼夜行に出会ったという逸話も残っています。
江戸時代、多くの絵師が百鬼夜行をモチーフに取り上げています。百鬼夜行は、それだけ魅力的なテーマだったのでしょう。
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