星野源は「あれも、これも」求める

 俳優で、ミュージシャンで、文筆家の星野源さん。

 星野さんは多才で、今どき流行りの塩顔イケメン男子です。ちなみに「塩顔」とは、あっさりした顔立ちのこと。

 すべてに恵まれているようですが、元「引きこもり少年」だった鬱屈した感情がチラっと見え隠れしたり、シモネタで笑わせるユーモアの人だったりします。

 星野さんの著書『働く男』には、彼の「思考の軌跡」が描かれています。たとえば映画評、俳優として関わった作品の紹介、自身の楽曲解説、歌詞分析、コラムなど。漫才コンビ「ピース」の又吉直樹さんとの対談も入っています。 

 又吉さんとの対談では、肩書に対する違和感を語っています。

「何の仕事がメインとか肩書きとか、関係なくやりたいですよね。最近、音楽家はそれ一本でいかないとダメとか、芸人さんもそういうところあるかもしれないですけど、何か専門を絞らないといけない時代になっていて」

 マルチに活躍する星野さんと、小説『火花』で芥川賞を受賞した又吉さん。二人のマルチなクリエーターは、いつもモヤモヤを抱えています。 

 一つの道を極めることばかりが美談になる世の中で、二人は「あれも、これも」を求めています。  まさに、茶色のシマウマ(異端児)です。

 働くことを肯定しながら、働きたくない自分も許容するような「矛盾」する貪欲な生き方。ひょっとすると、新しいタイプの登場です。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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