星野源の魅力「コンプレックスを武器にする」

 現代のトップスター、星野源さんは、なぜ人気者なのでしょうか?

 星野さんは顔がいいわけでもないし、歌唱力も微妙です。ただ、出演した連続ドラマは高視聴率を叩き出しています。恋ダンスは社会現象となり、歌手として紅白歌合戦に2年連続で出場しています。

 少年時代、親からこう言われ続けたといいます。

「あんたは不細工で足が短くて、特徴もない」 

 だから、目立とうなどという向上心のない普通の子どもだったそうです。

 スマホの料金の払い込みや便所掃除など普通の生活が苦手で、そこから逃避して映画や音楽に夢中になったといいます。それで今の生業は、逃避の結果なのだというのです。

 ヒット曲「恋」には、「暮らしがあるだけ」という歌詞があります。秀逸なのは、3人で道を歩いていると「大抵二人と一人の構図に」なり、「その場合、私は後者になる」というくだりです。

 そこには目立たない自分、人に覚えてもらえないコンプレックスが描かれています。

 星野さんの魅力は、今でもまだそれを引きずっているように見えるところです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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