夢が教えてくれること

　脳の働きは不可思議で、その解明は一筋縄ではいきません。

　たとえば夢。だれかに追いかけられる夢を見たことがある人は、少なくないでしょう。なかには、幽霊に追いかけられる夢を見た人も。

　恐ろしい夢やショッキングな夢ほど「吉夢（きちむ）」という話もありますが、だれかに追いかけられる夢も「吉夢」なのでしょうか？ 

 　ある女性の夢占い師によると、夢占いでは「だれかに追いかけられる夢」は精神的に追い詰められている証拠だといいます。現実の世界で何かに追われ、そうした夢を多く見る傾向があるというのです。

　理屈的には追いつめられた心理が夢に投影され、潜在意識が顕在意識に心理状態を把握させようとしているのです。

　たとえば借金取りに返済を迫られている人、受験勉強で時間がなくて焦っている人、仕事に失敗して周りに責められ後処理に追われている人などは、そうした夢を頻繁に見る可能性があるということです。

　まさに現実と夢がリンクしている状況なので、決して吉夢とはいえません。

　夢で何に追いかけられていたかも重要な意味を持ち、それによって夢が伝えるようとしているメッセージも変わってくるといいます。

　交際中の異性に追われている夢を見た場合、二人の仲が暗礁に乗り上げていることを暗示しています。妻や夫に追われている夢を見た場合、相手に不信感や罪悪感を抱いている表れといいます。

　得体の知れない幽霊や怪物に追われている夢を見た場合、人生や将来に漠然とした不安を感じている証拠だと考えられます。 

　見知らぬ人に追われている夢を見た場合、今の自分に不安を感じていることを暗示しています。ありのままの自分に自信がないので焦りを覚えたり、自己嫌悪に陥っていたりするので要注意です。

　 何かに追いかけられた夢の結末も大事で、追いつかれたのか、逃げきったのかでも夢が伝えようとしている意味も大きく変わってくるといいます。

　追いつかれた結末なら、行く手の障害に立ち向かうべきだという暗示。逃げてはいけないからこそ、潜在意識が警告しているのです。

　逆に、逃げ切れた夢を見た場合は、抱えている問題が好転するという兆しを暗示しているのです。 　何かとストレスが多い現代社会では、「気づき」がないまま心が追い詰められて悲鳴を上げていることも少なくありません。

　そして、「追いかけられる夢」が知らず知らずのうちに抱え込んでいるストレスの原因を教えてくれているかもしれません。