受験勉強のコツ「海馬の役割を知る」

 日ごろ心を蝕むストレスは、いろいろな病気の原因となります。たとえばストレスホルモンの「コルチゾール」。 

 最新の脳科学の進歩によって、ストレスが長く続いてコルチゾールが多量に分泌されると、脳内の海馬で神経細胞の突起を減少させることが明らかになってきています。

  海馬は、記憶に深く関係している器官。感情にも関わり、損傷すると認知症やうつ病につながる可能性があります。

 人間の記憶は、大脳皮質と海馬という二つの器官に分けられて記憶されます。

  新しい情報は、まず海馬に記憶として収納されます。そこで整理整頓され、次に大脳皮質に移動し

ていくものとそのまま消えてしまうものに振り分けられるのです。

 だから、新しい情報を長く記憶に留めるには、それが海馬にある間にしっかりと定着させて大脳皮質に移動させることが大切。新しい情報が海馬に記憶として定着するために要する時間は、だいたい1時間から1か月くらいされています。 

 1か月前の記憶なら思い出せるが、2か月前ともなると思い出せないという人も少なくないはず。それは記憶が海馬に保存されているか、いないかによって決まるのです。

 また、海馬の記憶の大半は9時間ほどで消失してしまうといいます。記憶力を上げるためには、最低でも9時間以内に海馬に記憶を定着させる必要があるということ。

 たとえば受験勉強で、一夜漬けの知識は直ぐに忘れてしまいます。

 試験前に詰め込んで覚えたものは、試験時間中にならなんとか思い出せることもありますが、すぐに忘れてしまいます。これは記憶が海馬内で整理され、結局大脳皮質に定着しないままで終わってしまったのです。 


八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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