脳の疲れは薬では治せない

 大半の人は、日ごろ生き残るための競争に明け暮れています。そして、そうした生存競争が最も脳を疲労させます。

  ただ、体を休めているだけでは脳の休息にはなりません。

 どういうことでしょうか?

  脳はボンヤリしているときでも、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路の働きによってその一部は活発に働いていることがわかっています。

 日ごろ十分に休憩を取ったはずなのに頭がスッキリしない、何もしていないのになかなか疲れが取れないことがあります。それは、身体や頭が休んでいるときでも脳が活動しているから。

  その内容は、たいてい悩み事や心配事。そうしたことが食事をしていても、テレビを見ていても、ベッドで眠りに就こうとしても心に引っかかっているのです。

 DMNは、一説では脳のエネルギー消費量の6~8割を占めているとされています。だから、何もしないでボーとしていてもどんどん疲れていくわけ。

 では、脳を疲れさせないためにはどういう方法があるのでしょうか?

  まず考えられるのは、脳を休ませるためにDMNの活動を抑えること。それで、落ちている集中力やパフォーマンスを高められるはずです。

  最近、マインドフルネスという言葉をよく耳にします。マインドフルネスは今、アメリカでは脳を科学的に癒す方法として瞑想と並んで注目を集めています。

 現地の経営者や起業家などが取り入れているといいますが、DMNを休ませるのに効果的だとされています。

 グーグルやインテル、ツイッターなど大手企業の研修でも採用され、世界的にも広がりを見せています。

 世界的に今、瞑想の科学的な裏づけが進んでいます。

 たとえば疲れやすい人は、DMNの働きで脳が自動操縦を続けるので身体だけではなく脳も疲れます。だから、疲れやすくなるのです。

 雑念も、そうした自動操縦の心に忍び込んでくるとされています。不満や怒りも、心を疲れさせます。 

 ただ、残念ながら脳の疲れは薬では癒せません。そこで、疲れを癒すための瞑想が注目されているのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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