スピリチュアルは格差を癒すツール

 日本では昭和の後期から核家族化が目立つようになり、さらに家族の中でも個人化が進んでいます。 

 うつ病が現代病と言われるように、人とのコミュニケーションが希薄になり、ストレスや悩み、不安を抱える人が増えています。

 そういう時代状況で、ストレスや不安、悩みを抱える人も増えています。スピリチュアルは、そんなストレスや不安、悩みなどを目に見えないパワーによって癒すというツールを提供しているのです。

 格差社会が広がる中、いわゆる「負け組」に「ありのままの自分を認める」、「本当の自分に目覚める」といった「自分自身の変化」を示唆するのも重要な役割です。

 昨年解散したグループSMAPの楽曲「世界で一つだけの花」が多くのファンの心を掴んだのも、日ごろストレスや不安、悩みを抱えながら生活している人たちの感情に訴えかけるものがあったからだと思います。

 それこそ、まさにスピリチュアルの役目というものでしょう。

 スピリチュアルに携わるカウンセラーやヒーラーは、良い悪いは別にして多くの「悩める人」の手助けになっているはずです。

 そしてスピリチュアルは人のストレスや不安、悩みを解消するための現代社会にマッチした有効な手段の一つとなっているのです。

 ただ、残念ながら一方では、人の不安や悩みにつけ込んで商売にする「スピリチュアルビジネス」が横行しているという実態があります。

 たとえば「念じるだけで幸せになれる」、「参加するだけでステージが上がる」といった耳障りのいい言葉で、高額のカウンセリングやセミナーに誘い込むのが悪徳スピリチュアルビジネス。

 少しだけ不安を煽り、安易な癒しを唱えるスピリチュアルビジネスは、不安や悩みを抱えている人の判断能力を狂わせてお金を巻き上げようと虎視眈々と狙っています。

 ネット社会を迎えて、だれもが簡単にスピリチュアルの情報を発信でき、だれもが手軽にそれにアクセスできます。

 何の努力もしないで物事が一気に好転し、不安や悩みも解消してほしいと考える人は少なくありません。今すぐにでも不安や悩みを解消したくて、何も考えずに耳に心地いい情報に安易に飛びつく人も多いのです。

 そうした風潮が、スピリチュアルビジネスの跋扈を許しているのかもしれません。その危険性について、現代人はあまりに警戒心がないと思います。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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