知性とパイオニア精神にあふれたバカになってみる

  アインシュタインやジョブズなどは、日ごろ机の上がゴチャゴチャと散らかっていたことでも有名です。

 それでも彼らの頭の中では、アイデアや知識、データなどが直感的にきちんと整理されていたといます。

 それに比べて机の上も、頭の中もゴチャゴチャになっていたら、とても「できる人」になれるとも思えません。

「これでいいのだ!!」

 なかには、そう居直る人もいるでしょう。

 ただ、あなたが「できる人」になりたいのなら、やはり頭の中はスッキリと整理されていたほうがいいに決まっています。

 そのためには、たまにはゴチャゴチャになっている頭の中をシャッフルする意味でも「バカ」になってみることも必要なのかもしれません。

 漫画家の赤塚不二夫さんはギャグ漫画の天才で、たくさんの作品を描き遺しています。

 なかでも『天才バカボン』は、最高峰とも言える秀逸な作品です。その中で、「バカ田大学」を入学も卒業も日本一難しい難関校として描いています。

 本郷の東大山上会館で、赤塚の生誕80周年を記念した連続公開講座(5年12月~翌16年3月)が開かれました。

「赤塚不二夫生誕80周年企画『バカ田大学』」――。

 そう題された講座の講師陣は、CGアーティストで東大大学院の河口洋一郎教授や「顔学」で知られる原島博東大名誉教授、イラストレーターでアートディレクターの安齋肇さんなど多彩。

 講座では赤塚さんが追究した「バカとは何か?」について、講師陣がそれぞれの専門分野から解き明かしています。

  赤塚さんは生前、バカについてこう書き記しています。

「ただバカっつったて、ホントのバカじゃダメなんだからな。知性とパイオニア精神にあふれたバカになんなきゃいけないの。リッパなバカになるのは大変なんだ。だから、バカになる自信がなかったら、ごく普通のリコウな人でいたほうがいい」 

 河口教授は、講座を終えたあとこう扇動しています。

「我を忘れた没頭がバカ、極めれば天才です。やるなら徹底的でなきゃ」

 原島名誉教授は、こう振り返っています。

「世の中、お利口さんばかりでは退屈です。予想不能な10%のバカがいてこそ、世界は創造的で楽しいのです」 

 とくに事業イノベーションでは、バカになった「茶色のシマウマ」(異端児)が徹底的にバカをやり通すことで新しい商品やサービスが生まれてくるのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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