ヤンキーは「『仕組み』を作った者が勝つ」という典型的なケース
いわゆるヤンキーは学校で教師に反抗し、威嚇や暴力などで他の生徒を圧倒しようとします。「落ちこぼれ」が少なくなく、厄介な存在なので周りから敬遠されています。
一方、ヤンキーから学校や地域社会で威圧されている一般生徒は、社会人になると世の中のヒエラルキーがヤンキーの階層では序列づけられていないということに気づきます。
一般社会がヤンキーとは無縁で、大企業と中央官庁を中心としたヒエラルキーで成り立っていることを社員や組織の一員になって痛感させられるのです。
ヤンキーは学校を出たあと、どこに新しい居場所を見つけているのでしょうか?
その大半はトラック運転手や建設、土木などの現場労働者の供給源となり、早い時期に結婚して子育てファミリーとして保守的な生活を送っています。
地方や都市郊外では、このところマイルドな思考のヤンキーが増えているといいます。ツッパリだけではない、発想が柔らかなマイルドなヤンキーの登場です。
マイルドなヤンキーは、いわゆる上昇志向や上京志向とは無縁の生活を送っています。新天地で拠点を築こうとするアクションなど起こさず、新たな人間関係を築こうとする意欲もありません。まさに、生まれ育った場所で生きていく地元密着型。
それまで地元で築いてきた生活に対して満足度も高く、郷土としての地元が好きというよりも中学時代と地続きの居心地のいい生活ゾーンの維持を最優先するのです。
そのため、地元の友だちと空間が共有できるミニバンタイプの車などには出費をいといません。地方や都市郊外の企業にとって、なんとも望ましい保守的な消費者層の登場です。
では、ヤンキーという生き様は儚い幻だったのでしょうか?
そうではありません。
ヤンキーは、何かと威嚇していた一般生徒に対して社会の仕組みを疑似体験させてくれていたのです。それは、どんな世界でもヒエラルキーで格づけする仕組みを最初に築き上げたところがその世界を支配できるということ。
マイクロソフトやアマゾンなどもIT技術を駆使した事業展開で、いち早く世界的な仕組みを構築することでその業界のヒエラルキーの頂点に君臨しています。
そこにはヤンキーが一時期、威嚇や暴力などによって学校や地域に君臨する仕組みを構築していたことと相通じるものがあるのです。
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