若者の恋愛離れ

 NHKの情報番組「クローズアップ現代+」(11月24日放送)は、アイドルグループ「AKB48」の握手会が若者に「恋愛は面倒くさい」というブレーキをかけてしまう要因の一つとして挙げていました。

 まさか、極論過ぎるのでは?  

 そう思っていたら、案の定、ネットで批判が溢れています。

「NHKズレ過ぎだろw」

 「間抜けにもほどがある」

 一般的に、恋愛ができないからアイドルに走るとされています。

 同番組では、若者が恋人を作らないデータとして国立社会保障・人口問題研究所の調査を参考にしていました。

 その調査(15年)によると、交際相手がいない未婚者(18歳から34歳の男女)の割合は男性が69.8%、女性は59.1%。10年前に比べて、それぞれ約20%増えていました。

 どうして恋愛をしないかについては、「面倒くさい」、「コストがかかる」、「リスクがある」といった意見が挙げられていました。

 若者の間では、男性にモテない女性を「喪女」(もじょ)と呼ぶそうです。

 番組に登場した大学3年の女子は、失恋後に「喪女」がイケメンと恋愛するマンガにハマってしまったと告白。その際、こういうナレーションが流されています。

「束の間の逃避を重ねているうちに、現実に戻るのが億劫になった」

 直後に、パネルが示されました。

 そこには恋愛にブレーキをかける要因として「ストーカー DV」「セクハラ」「メイドカフェ 漫画」、「AKB48握手会」などが挙げられていたのです。

  で、ネットで批判が溢れたというわけ。

 たとえば、こんな感じです。

「AKBを過大評価しすぎ。あんなもんごくごく一部のオタがくらいついてるだけ。しかも若者じゃなくておっさん」 

「大半のファンは恋愛できないからアイドルに走るわけで、順序が逆 」

「原因じゃなくて結果だろ。あれは恋愛競争市場から溢れた奴らの擬似救済システム」

 なかにはアイドルに夢中になって現実離れしている未婚者もいるかもしれませんが、「それと現実の恋愛とは関係がない」といった批判です。 

 確かに、アイドル好きな中年は結婚できない気もしますが、それは恋愛からドロップアウトした人たちのこと。

  やはり恋愛離れとAKB48の握手会を結び付けるのは極論、暴論、ムリ筋論かも。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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