心の体幹を鍛える

 かつて子どもの世界で、高いところから飛び降りてみたり、暗闇の中を一人で歩いてみたりする「肝試し」と呼ばれる遊びがありました。

 肝試しでは、いろいろ心の弱さも見えてきたものです。

 最近の子どもには、そうした遊びが少なくなっているのが気にかかります。

 自分の心の弱さをわかっていないと、心の体幹を鍛えるにしてもどこを重点的に強化すればいいのか判然としません。 

 体幹を鍛えることの大切さは、スポーツ界では世界的な常識。ところが、日本の学校教育ではそれが十分に行われていません。

 たとえば小学校の教室では、体幹が鍛えられていないので自分のカラダを支えられずに姿勢が崩れてしまっている児童が少なくないといいます。

 授業中、カラダがグニャっとして正しい姿勢ができずに目と鉛筆の距離が近すぎる状態になっているのです。そうした児童は、やはり落ち着きがないそうです。

  心の体幹が鍛えられていないと、何かに挑戦しようとするとき心の中心軸もブレてしまいがちです。

 日本経済はバブルが崩壊後、長期間に渡って低成長時代が続いています。一方で、世界的に破壊的イノベーションが進んでいます。

 そうした状況で、日本企業はこれまでのように減点主義を踏襲した「日本モデル」の経営を続けていては生き残れないと危惧されています。

 経済環境が激変しているとき、学校教育のあり方もそれに合わせて変えていく必要があります。

 高度経済成長時代には、前例を踏襲して決められたことを正確にやり遂げる能力のある人材が求められていました。そこには正解があり、それをきちんと達成していく能力が必要とされていたからです。

 一方、破壊的イノベーションが進む変化の速い時代には、正解がハッキリしていないか、たとえあったとしてもそれが目まぐるしく変わっていきます。

 そこで求められる能力は、変化に対応できる能力です。 

 変化に対応するには、心の体幹が鍛えられていないと右往左往するばかりです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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