菅政権は国民の信頼を失い続けている


 歌人の道浦母都子さんは、随筆でこう書いています。

「自由にしろ、愛にしろ、何かを得るということは、代りの何かを失うこと」

 人生を振り返っての述懐で、そうだと深くうなずいてしまいます。

 では、この連中は何を得て、何を失ったのでしょう。菅首相の長男が勤める放送事業会社の接待を受け、処分された総務省の幹部連中です。

 菅政権は、その方針に逆らうと異動してもらうと公言する政権です。

 永田町のスズメは、こう解説します。

「その怖い菅さんの身内だったら断れなかった、だから危うい接待に応じたと」

 それで重い肩書を得られても、世間の信頼を失うとわかっていたはずなのに、それでも

幹部連中は危うい接待の応じていったのです。

 かつて旧大蔵官僚が、風俗店を舞台に接待を受けるという事件がありました。

 あのときも規律、規律の大合唱でしたが、霞が関のエリート官僚たちは向かい風がやんだらこの体たらくです。

 プロ経営者と呼ばれる松本晃さんが、3年前の日経新聞夕刊で危機にあっての心得について体験談を書いています。

「一切隠さず、そこまで言うのかというほどすべてを開示した方があとあと困らない」「情報の小出しはいけない」「ましてウソは厳禁だ」

 その点、その場凌ぎが目につく菅政権はどうでしょう。その場をしのぎ、代わりに大事なものを失っているのでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000