悪意の投稿はクセになってエスカレートしていく

 あなたは、ネットで「悪意のある投稿」をしたことがありますか?

 そうした経験がある人は、意外と少なくないのです。

 独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」技術本部セキュリティセンターは、13歳以上のパソコン、スマホでのネット利用者を対象に毎年、情報セキュリティに対する意識調査を実施しています。

 その「2015年度情報セキュリティに対する意識調査」によると、ネットに投稿した経験がある人のうち「悪意のある投稿」をしたことがある人は24・7%となっています。

 驚くことに、なんと4人に1人が経験していたのです。

 大半がノイジー・マイノリティと思われますが、少数派といっても侮れない割合です。その内容は、上位3位が次のようになっています。

 ①他人や企業の悪口(8・8%)

 ②他人の発言を非難する内容(7・9%)

 ③下品な言葉を含む内容(7・1%)

  年代別にみると10~20代では悪意のある投稿経験者は3割を超えています。その内容は、やはり「下品な言葉を含む内容」がトップ。

 そうした「悪意のある投稿」をする理由は、全体的に以下のようになっています。

〇人の意見に反論したかったから」(32・0%)

〇人の投稿やコメントを見て不快になったから(24・9%)

〇人の意見を非難・批評するため(24・1%)

〇いらいらしたから(18・4%)

〇相手に仕返しするため(10・5%)

〇誰かがやるべきことだと思ったから(10・5%)

〇好奇心や面白さから(10・5%)

〇皆がよくやっているから(4・9%)

 年代別で見ると、10~20代では「いらいらしたから」の割合が多く、なかでも10代ではトップの理由となっています。

 何らかの「悪意ある投稿」をすることは、だれかに不満や怒りをぶつけているということ。そうした投稿をしても根本的には不満や怒りのガス抜きにはなりません。

 それを自覚もなく繰り返していると癖になり、不満や怒りを覚えた際、だれかを攻撃しないと気がすまないようになります。

 悪意や怒りはエスカレートしやすく、それが「悪意ある投稿」だけでは解消できなくてリアルな実生活にも暗い影を落としてくるのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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