過熱する株価が心配
かつてバブル経済が崩壊した直後に、英国のあるエコノミストが著書でこう書いています。
「日本の金融市場では、ニュートンの万有引力の法則が当てはまらないと思い込んでいる人が多すぎた」
ここで言う万有引力の法則とは、まさに「上がったものは下がる」ということです。
1989年12月、日経平均株価が過去最高の3万8915円を付けています。
当時、専門家の多くはさらに高値を更新すると思っていたところがあります。
しかし、翌年秋には半額近くまで下落してバブルは崩壊したのです。
今回、日経平均株価が約30年半ぶりに3万円を突破するなど実体経済とは懸け離れた高値を続けていますが、バブル経済の再来のようにも見えてなりません。
今後の株価の動きについて、エコノミストの見方は様々です。
「株価は、新型コロナの収束で経済活動が正常化すると元の水準に戻る」
「最高値を更新する可能性もある」
経済予測は占いと同じで、その多くが「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といった感じです。
株価は「景気の体温計」と言われますが、この体温計は必ずしも正確とは言えません。
今の株価水準が、日本経済の実力でないのは衆目の一致するところです。
バブル後遺症の苦い経験を踏まえると、過熱する株価が心配になります。
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