1970年代の米国で、実際にあった話です。

●誰にでもある「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」


 団員の95%を男性が占めるオーケストラで入団審査の形式を変えたところ、衝立の向こうで応募者に演奏してもらうと女性の合格者が急増したというのです。

 性別を隠し、純粋に「音」で選ぶと結果が変わったのです。

 審査員のなかに「男性のほうが技術がある」という思い込みがあったとされ、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を示す事例として知られています。

 それは、日常のなかに溢れています。連合が昨年、インターネットで約5万人に偏見を含む20の事例について自問してもらったところ、95%超が「思い当たる」と答えています。

 たとえば「単身赴任というと父親を想像する(母親を想像しない)」「受付対応、事務職、保育士というと女性を思い浮かべる」といった具合です。

 誰もが、思い込みや先入観があります。

 問題なのは、それに気づかないまま何げない一言で相手を傷つけ、人間関係を損ねることでしょう。

 企業は今、人や組織の成長を妨げるとして自らの偏見に気づくための社員研修を導入するところも増えているといいます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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