菅首相とバイデン大統領の決定的な違い
レーガン政権下で、ある米国人記者は当時の米国の姿をこう書いています。
「貧しい者はさらに貧しく、富める者はさらに裕福になった。アメリカは多くの人種集団、地域集団に分かれてしまった」
トランプ政権下ではなく、分断された米国社会はすでにレーガン政権下で進んでいたのです。
レーガン大統領は1981年2月、大型減税と規制緩和を柱とする経済再建策を発表しています。
いわゆる「レーガノミクス」で、国民に自助を促す「小さな政府」の推進を訴えています。
その政策で不況からは脱出しましたが、恩恵は富裕層に集中しています。増えた雇用も、大半は黒人などの低賃金労働だったのです。
ただ、
レーガン大統領は「レーガノミクス」が生み出した負の問題をさして気に留めなかったようです。
「サミットで米国の奇跡と呼ばれ、各国が導入した」
回顧録で、誇らしげに書いているのです。
減税で国の借金が急増していますが、こうジョークで煙に巻いています。
「負債も成長して一人前になったものだ」
コロナ禍で、日本でも多くの非正規労働者が職を失っています。一方、景気とは懸け離れた株高で富裕層が一段と豊かになっています。
これは、「レーガノミクス」から始まった「新自由主義」がもたらした結果です。
格差が上と下にさらに広がる「K字形経済」と呼ばれているのも、レーガン時代と酷似しています。
バイデン米大統領は、富裕層への増税などで格差是正を図ると表明しています。しかし、
菅首相は「自助ありき」の姿勢を崩していません。
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