行政の縦割りがコロナ禍対策に暗い影を落としている


 よく「学生時代の勉強は社会で役に立たない」と言われることがあります。

 たとえば、ある若手社員は「大学で統計学を学んでも、それをどう生かせばいいのかよくわからない」と零しています。

 マスコミの世界には、「データジャーナリズム」という言葉があります。

 ある地方紙記者は県庁職員の残業時間と昇進した年度に関するデータを入手し、「残業が長い職員ほど出世が早い」傾向を証明して記事にしています。

 新型コロナウイルスの取材でも、公開されるデータは重要です。

 それを分析すると感染リスクを高める行動などが明らかになり、行政の政策が妥当か検証できます。

 ただ、行政が公開するデータには電子化されていないものが多く、手に入れたデータの膨大な数を記事にするために手で入力し直す必要があるといいます。

 しかも、非公開の内容も多くてデータとして不完全で分析に適さない場合が少なくないそうです。

 たとえば感染者のデータにしても保健所を持つ市が独自に出しているので、県がデータをまとめる権限がなくて困っているというのです。

 そうした行政の縦割りが、コロナ禍の対応にも暗い影を落としています。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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