今の若者は好奇心が育っていない


 ノーベル化学賞を受賞した白川英樹さんは、今の若者についてこう書いています。

「好奇心が育っていない」

 そう思ったのは、時計を見ていたときのことだといいます。 

 昔の時計を分解するとゼンマイと歯車でつくられていることがわかり、時を刻む仕組みが目で確かめられました。

 しかし、今の時計はIC(集積回路)と電池しか入っていません。

 白川さんは、それでは好奇心が育まれないと感じたそうです。

 ところで、ネット通販アマゾン・コムのジェフ・ベゾスさんが最高経営責任者を退いて会長として新規事業に当たるといいます。

 べゾスさんは「ネットって何?」と言われながら事業を始め、同社を世界的な大企業に育て上げています。

 従業員向けの長い退任挨拶でで、最後にこう呼び掛けています。

「好奇心を羅針盤にして」

 べゾスさんに言わせると、成長のエネルギーは発明だといいます。

 同社を130万人企業に育てたべゾスさんの才覚には敬服しますが、アマゾンを含めたGAFAの支配力への懸念が世界的に強まっています。

 国内でも小売店の店主が、顧客が通販へ流れてしまう現状への割り切れなを嘆いています。

 果たして、巨大IT(情報技術)企業が受け止められない需要って何なのでしょう。

 それこそ、若者の好奇心がそれを探し出すことができると思います。

 しかし、それが育っていないとなると日本の将来が心配になってきます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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