猿の悪賢さ


 インドネシアのバリ島では、現地の猿は「観光客の持ち物のなかから貴重品を奪い、それに見合うだけの質や量のエサがもらえるまで返さない」という知恵を持つといいます。

 しかも、年を取った猿ほど「高額な品で効率的な〝取引〟を狙う」といいますからその悪賢さには恐れ入ります。

 調査した大学研究者は、「前例のない経済的な意志決定方法」と結論づけています。

 しかし、驚くには当たりません。ある特定の世界の人とっては非合法な取引で目的達成を図るのが〝常識〟となっているからです。

 進化論の法則から言うと、人のほうがさらにずる賢いのです。現に日本では今、金銭を介して邪な企てをした元大臣たちの犯罪が報じられています。

 実験用の猿は大変利口で、人をよく観察するそうです。状況を読み、実験に協力的にも非協力的にも態度を変えるといいますから鋭い眼力です。

 人が猿を小ばかにして止まないのは、似すぎているがゆえの近親憎悪かもしれません。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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