責任ある飲酒が求められるコロナ禍時代


 米国で「スペイン風邪」が猛威を振るったのは、禁酒法の施行前夜でした。禁酒法の施行によって感染防止のため酒場の営業が禁じられ、禁酒運動に一層の勢いがついたといいます。

 一方、一部地域ではウイスキーが治療に有効と薬品扱いされています。医師の処方で飲酒する手法は、禁酒法の時代にも続いています。

 今のコロナ禍も、飲酒のあり方を大きく変えています。会合自粛やテレワークの導入で「帰宅前に一杯」の習慣は、すっかり過去のものになった人も多いでしょう。

 逆に、家飲みの機会が増えているといいます。昨年は飲食店向けのビールが減る一方、安い「第3のビール」が売れて販売量が逆転しています。

 ロックダウンが続いた欧米の調査でも、家での飲酒量が増えた人が少なくないといいます。不安やストレスから、酒に頼ることもあるのでしょう。家では時間の制限がなく、深酒になりがちという話も聞こえてきます。

 世界保健機関(WHO)は、過度な飲酒は免疫力を落とすと警告しています。飲み過ぎは、体に毒だということでしょう。

 禁酒法は、密造酒を売るギャングの懐を太らせただけで失敗に終わっています。飲酒の習慣がなくなることはないと思いますが、責任ある飲酒が求められる時代です。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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