増え続ける権威主義国家


 

 スウェーデンの調査機関によると、2019年現在で世界に民主主義国家と呼べるのは87か国で、権威主義的な国家のほうが92か国と上回っています。

 非常に気掛かりな数字で、国際社会では民主主義の後退が生じているようです。

 08年のリーマン・ショックが引き起こした経済危機によって多くの国で格差が広がり、既成政治に対する不満をすくい上げるポピュリズムや権威主義が伸長してきています。

 権威主義国家の代表である中国は主要国がコロナ禍に苦しむ間に自国の感染を抑え込み、ワクチンやマスクを供給する外交戦略で途上国への影響力を強めています。

 一方、香港では民主派の弾圧を続けるなど抜かりがありません。

 コロナ禍のような地球規模の課題に取り組むには、国際社会の協調が不可欠です。

 この点、中国の一連の動きは国際秩序を揺るがしかねないもので、民主主義諸国に対して〝挑戦状〟を叩きつけているのでしょう。

 バイデン新大統領が就任早々、地球温暖化対策のパリ協定や世界保健機関(WHO)への復帰を命じたのは協調重視の姿勢を行動で示したもので歓迎できます。

 同時に就任演説では、同時に「同盟関係を修復し再び世界と関わり合う」とも述べていますので中国との対立が先鋭化していくと見越しているのでしょう。

 ともかく、今年の10大リスクのトップは「第46代大統領」ということに〝異存〟はないでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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