火の用心には気を配る

●火の用心には気を配る

 旧暦の1657年1月18日、「明暦の大火」が起こっています。江戸の町から上がった火の手は、折からの強風で一気に燃え広がったといいます。江戸城の天守閣も焼失するなど、町の6割もが燃え落ちたと伝わっています。

 その大火で、牢屋に火が迫ったため囚人が解き放たれています。門番は殺到する集団を脱獄と勘違いして門を閉ざしたままで、行き場を失った囚人の多くが犠牲になったといいます。

 当時、徳川幕府が発足してから半世紀ほどで、幕府は守りを固める策で隅田川にあえて橋を架けていなかったといいます。そのため、逃げ惑う人々が川べりで次々に倒れたと伝えられています。

 明暦の大火での多大な犠牲を教訓に、江戸は防災力を高めています。再整備する町には新たに防火帯を設置し、新しい架橋も許可しています。

 荷物を運び出す者で道が塞がったため、以後は火災時の家財搬出を厳禁にしています。そして江戸城天守閣の再建は、「市中復興が最優先」と見送っています。

 コロナかを前に後手、後手の菅政権と比べると、当時の為政者が的確に状況判断をしたということがわかります。

 コロナ禍の今、年明け以降だけでも各地で犠牲者の出る火災が相次いでいます。とくに、高齢者が犠牲になっているのが目立ちます。

 くれぐれも、火の用心には気を配りましょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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