東大卒(前例踏襲型)が生きにくい時代

 今の若者は経験していませんが、かつて日本は高度経済成長を享受していた時代があります。

 それをGDP(国内総生産)でたどると、戦後の復興を終えた1955年度の9兆円から72年度には100兆円にまで到達。伸び率は、17年間で10倍以上といった驚くべき数字です。 

 その時代、東大卒に代表される前例を踏襲する事務処理能力に長けたエリートが日本社会の仕組みを支えていました。

 ただ、そうした社会の枠組みはバブル崩壊、リーマンショックなどを経てすでに崩れ去っています。

 その時期に東大卒の官僚主導で構築されていた社会システムの土台も、今では見る影もなくボロボロといったあり様です。 

 かといって、高度経済成長期と同じような時代が今世紀中に再び訪れてくるとも思えません。

 逆に、少子高齢化社会を迎えた日本経済の衰退さえ心配されています。

 まさに前例踏襲というバランス感覚を備えていた東大型の人にとって、もっとも生きにくい時代を迎えているのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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