いつの時代も、成功の本質に変わりはない

 町工場が作った鉄バットに秘められたもの――。

  プロ野球セ・リーグでは、25年ぶりに広島東洋カープが優勝。その快進撃を、東京出身の選手が引っ張ってきました。それは、打率3割を超す結果を残した鈴木誠也外野手(22)です。 

 鈴木選手は、漫画「巨人の星」の舞台となった荒川区の町屋の出身。「巨人の星」と同じように、父親から熱心な指導を受けて育っています。

  小学2年で、地元の少年硬式野球チーム「荒川リトルシニア」に入団。打撃が好きで、放っておいたらいつまでも打ち続けていたといいます。 

 当時、チームの事務局長は同区内で金属加工の町工場を切り盛りする石墳成良さん。石墳さんは鈴木選手が小学校高学年になったころ、鈴木選手の父親から「鉄製のバッドを作ってほしい」と頼まれました。

  出来上がったバットは、長さ約75センチ、直径22ミリの鉄の棒にグリップエンドをつけたものでした。

  鈴木選手は、バットの芯で確実に球を捉える技術を身につけるため、それを使ってゴルフボールを打つ練習に取り組んだといいます。その練習を、中学生になっても黙々と続けたのです。

  鈴木選手の打撃の基礎は、荒川区の町工場が作った鉄バットで培われたということです。

 継続こそ力なり。いつの時代も、成功の本質は変わりません。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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