菅政権はコロナ禍の今こそ「もだえ神」となって「公助」に尽力すべきとき
鏡開きでは、今年1年の無病息災を祈ります。
しかし、コロナ禍は新年を迎えても収まる気配がなく、正月もなく心身をすり減らしてくれた医師や看護師の闘いが続いています。
病気がちだった夏目漱石は、医療従事者の仕事についてこう書いています。
「病人は彼等のもたらす一点の好意によって急に生きて来る」
医師や看護師は、報酬を得るためだけに職務に忠実なのではありません。患者への接し方を病人の目から見ると、その仕事がいかに尊いかがわかります。
医療従事者はすべての患者を救えるわけでもないのに、それでも力を尽くして病人の回復のために尽力します。
法政大学総長の田中優子さんは、近著「苦海・浄土・日本」にこう記しています。
「一緒にもだえて、哀しんで、力になりたいという強い気持ち」
コロナ禍で患者のために尽力している医療従事者は、まさに「もだえ神」を連想させます。
それは、小説「苦海浄土」で知られる石牟礼道子さんの思想にも迫る論考です。
石牟礼さんも、水俣病患者の傍らに立つ「もだえ神」になって「苦海浄土」を書いたぼでしょう。
その点、菅政権は今、国民とともにもだえ苦しんでいるとは思えません。
知事に背中を押される形で1都3県に緊急事態宣言を出しましたが、感染拡大を防ぐと同時に経済を止める影響で生活苦にあえぐ人々をどうやって救うつもりなのでしょう。
菅首相が悩み抜いた末に対策を講じてきたと感じている国民は、いったいどれだけいるのでしょう。
国民の命と健康を守ることが政治の使命なら、菅政権は今こそ全身全霊で「もだえ神」となって「公助」に尽力すべきときでしょう。
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