中国共産党はやりたい放題
欧米メディアは、中国電子商取引(EC)最大手アリババグループの創業者で、中国一の富豪として知られる馬雲(ジャック・マー)さん(56歳)が「行方不明」だと報じています。
馬さんが、中国当局を批判するかのような発言をして以来、約2か月に渡って公の場に姿を見せていないというのです。
ロイターは1月4日、馬さんが昨年10月下旬に上海で開かれた金融フォーラムに出席して以来、公の場に姿を現していないと報じています。
馬さんは同フォーラムで、こう発言しています。
「優れたイノベーションは監督を恐れないが、古い方式による監督を恐れる」
これが、中国当局を批判したと受け止められようだと噂されているのです。
昨年11月には、アリババ傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営するアント・グループが上海と香港で予定していた新規株式公開(IPO)が直前に延期されています。
同じく12月には、中国国家市場監督管理総局がアリババグループを独占禁止法違反の疑いで調査する方針を明らかにしています。
馬氏について欧米メディアは「行方不明」と積極的に報じています。一方、中国メディアは静観の姿勢です。
中国情勢に詳しい評論家の石平氏は、こう推測しています。
「拘束されているかどうかはわからないが、国内を出ることができないのでしょう。中国当局の目的は、アリババグループの解体です」
馬さんはソフトバンクグループの孫正義会長兼社長とも親しく、昨年6月まで同社取締役を務めています。
ただ、昨年9月にはアリババグループの会長職も退いています。
世界的な大富豪としても知られ、昨年11月に米経済誌フォーブスの中国語版が発表した中国の長者番付でも4377億人民元(約6兆9700億円)でトップを飾っています。
中国の経営者をめぐっては、安邦保険集団の創業者で鄧小平の孫娘と結婚していたとされる呉小暉さんが当局に拘束され、のちに詐欺罪などで懲役18年の有罪判決を受けています。
米ウォールストリート・ジャーナルは、政府と対立してきた大午集団の創業者、孫大午氏が昨年拘束されたと報じています。
世界的なカリスマ経営者といわれる馬さんと巨大企業アリババであっても、中国当局に睨まれると一たまりもないということでしょう。
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