死刑制度は取り残された最大の人権問題
近年、クリスマスソングが街にあふれる歳末の死刑執行が恒例となりつつあります。
法務省は昨年、仕事納めの前日に福岡一家4人殺害事件(2003年)の中国人死刑囚の刑を執行しています。
中国人死刑囚の刑死を発表する森雅子法相は記者会見で、記者の「なぜこの時期なのか」という質問にこう答えています。
「個々の事項については答えを差し控える。慎重な検討を経て執行命令を発した」
回答は、にべもないものでした。
そもそも国は、死刑制度自体の情報開示に消極的です。理由は、「死刑囚の心情の安定」を考えてのこととされています。
法務省は10年、東京拘置所の刑場を報道機関に公開していますが、執行する死刑囚の選び方や処遇の実態は今もベールに包まれたままです。
死刑の執行は朝、突然告知されるのが通例となっています。だから死刑囚は拘置所で朝を迎えると、針一本落としても聞こえるくらい静かななかで今日も誰かが召されると思うと体が緊張するといいます。
刑務官も人間ですから、死刑囚を刑場に連れて行くときの表情は真っ青で蝋人形みたいになるといいます。
死刑執行が前日から当日の朝に変更されたのは1975年、隣の舎房にいた死刑囚が執行前日に自殺したことがあったからだといわれています。
死刑執行は今、法定の「6か月以内」をはるかに超えることが常態化しています。法務省がどんな基準でその順番を決めているのか、さっぱりわかりません。
冤罪の可能性を慎重に判断しているつもりかもしれませんが、その人選が正しいかどうかは検証が不可能です。
司法制度は幾度も改革され、今は裁判員として市民が死刑判断に加わる時代になっています。
死刑に対する立場は種々だとしても、市民間で議論するには情報があまりにも乏しいのが実情です。死刑制度は、取り残された最大の人権問題です。
近年、クリスマスソングが街にあふれる歳末の死刑執行が恒例となりつつあります。
法務省は昨年、仕事納めの前日に福岡一家4人殺害事件(2003年)の中国人死刑囚の刑を執行しています。
中国人死刑囚の刑死を発表する森雅子法相は記者会見で、記者の「なぜこの時期なのか」という質問にこう答えています。
「個々の事項については答えを差し控える。慎重な検討を経て執行命令を発した」
回答は、にべもないものでした。
そもそも国は、死刑制度自体の情報開示に消極的です。理由は、「死刑囚の心情の安定」を考えてのこととされています。
法務省は10年、東京拘置所の刑場を報道機関に公開していますが、執行する死刑囚の選び方や処遇の実態は今もベールに包まれたままです。
死刑の執行は朝、突然告知されるのが通例となっています。だから死刑囚は拘置所で朝を迎えると、針一本落としても聞こえるくらい静かななかで今日も誰かが召されると思うと体が緊張するといいます。
刑務官も人間ですから、死刑囚を刑場に連れて行くときの表情は真っ青で蝋人形みたいになるといいます。
死刑執行が前日から当日の朝に変更されたのは1975年、隣の舎房にいた死刑囚が執行前日に自殺したことがあったからだといわれています。
死刑執行は今、法定の「6か月以内」をはるかに超えることが常態化しています。法務省がどんな基準でその順番を決めているのか、さっぱりわかりません。
冤罪の可能性を慎重に判断しているつもりかもしれませんが、その人選が正しいかどうかは検証が不可能です。
司法制度は幾度も改革され、今は裁判員として市民が死刑判断に加わる時代になっています。
死刑に対する立場は種々だとしても、市民間で議論するには情報があまりにも乏しいのが実情です。死刑制度は、取り残された最大の人権問題です。
0コメント