無能な政治家が馬脚を現した


 コロナ禍の勢いは収まるどころか、世界的にも強まる一方です。

  米国ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると昨年12月31日現在、新型コロナウイルスの累計感染者数は世界で8200万人、死者数は180万人を突破しています。

 日本では感染者数が23万人、死者数が3400人を超えています。

 約100年前のスペイン風邪による死者数は、数千万人といわれています。

 コロナ禍の感染者数は、すでにスペイン風邪の感染者数を超えているのです。

 誤解を承知で言うと、それでも死者数が180万人台に抑えられているのは現代医学と最前線で戦っている医療関係者の献身的な努力によるものでしょう。

 経済活動維持か感染阻止かで優柔不断な対応に終始している政治家たちへの人々の期待は、遠の昔に消えてしまっています。

 感染阻止に失敗している指導者たちには、その現状認識が欠如しているとしか思えません。

 日本からの報道で知ったという米シンクタンクの政治学者は、こう述べています。

「国民には三密の徹底をお願いしながら、みずからは与党重鎮や野球関係者、芸能人ら数人と長時間の飲食に興じる一国の宰相がいたようです」

 これが、菅首相を指しているのは日本人なら誰でもわかります。

「招かれた民間人も、断るべきです。こういう指導者は〝トランプ並み〟としか言いようがありません。米国でも、能天気な指導者がいます。マイク・ポンペオ国務長官が、国務省に900人を招いてクリスマスパーティーをやろうとしたのです。しかし、集まったのは数十人だったといいます。その後、ポンペオ国務長官は感染者に接触したといって自主的に隔離生活に入っているそうです」

 コロナ禍は、産業革命以降の社会を根底からひっくり返そうとしています。仕事や人的接触、社交、ショッピング、健康管理、教育現場、家族・親族関係など、ほぼすべての行動様式を根本的に変える必要があります。

 前述の政治学者は、こう指摘します。

「日本のトップは、コロナ禍の根本を分かっていないようです。棚ぼたで総理大臣になった無能な政治家が、馬脚を現してしまったということでしょう」

 普段は菅義偉首相の動向についてあまり報道しないワシントン・ポストやブルムバーグ通信といった米主要メディアも、菅首相の「会食」を皮肉っぽく報じています。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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