コロナ禍後の失業者の7割近くが女性


 日本では、コロナ禍後の失業者のうち女性が約7割を占めています。

 これは小売業やサービス業で働く労働者に占める女性の割合が高いことが原因で、さらに「非正規雇用」の女性の比率が高いことを強く反映しています。

 こうした女性の働き方は基本的にパートタイムで給料も手当も少なく、雇用の保障もほとんどありません。

 これは、今の日本が抱える最も深刻な〝持病〟の一つです。

 日本政府は8年前、男女平等の実現を真剣に受け止めていると唱えています。しかし、女性が失業者の約7割を占めているということは男女平等についてほとんで何も達成できていなかったことを如実に示しています。

 安倍前首相は2012年の就任時、家父長制の日本を「女性が輝ける」場所に変える「ウーマノミクス改革」を約束しています。

 20年までに指導的地位に就く人に占める女性の割合を30%以上にするとの目標を打ち出し、企業経営者に対して多くの女性を幹部に登用して取締役会に加わる女性を増やすよう呼びかけています。

 しかし、これらはすべて口先だけのことだったのです。

 その政策には実効性がなく、安倍前首相は模範を示して「ウーマノミクス改革」を率いることができなかったのです。

 一時期、閣僚20人のうち女性が1人という時期もありました。さらに、閣僚のなかでも最重要ポストとされる外務、財務、官房のポジションに指名された女性はいませんでした。

 世界経済フォーラム(WEF)は安倍前首相の在任中、各国の男女平等の程度を指数化した「ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで日本の評価を2015年の101位から19年には20ランクも下げて121位としています。

 この急激なランクの低下により、G7の一角を占める日本はベナン、アラブ首長国連邦に次ぐ順位となったのです。

 アジア第2の経済国であり、金融の中心地としての地位の回復を目指す日本政府が望む順位とはとても言えないものでした。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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