性を束縛するコルセットを脱ぎ捨てる「脱コル」


 ウナギは生まれたとき、まだ性別が決まっていません。理由は不明ですが、養殖すると9割以上が雄になるといいます。

 そして、養殖に都合がいいのが雌だそうです。雌は身が硬くなりやすい雄に比べると成長しても身が軟らかいので、大きく育ててもおいしく食べられるというのです。

 ところで、愛知県水産試験場がウナギを雌に育てる技術を開発したといいます。

 大豆食品に含まれている「大豆イソフラボン」に女性ホルモンに似た作用があることに着目し、一定期間、それを餌に混ぜて与えると養殖ウナギの9割以上が雌になったというのです。

 ウナギの性別は、どうも生まれた後の環境によって決まるようです。

 一方、人は生まれたとき体に雌雄の性別があります。さらに心にも性別があり、それを自認する性と体の性が一致しないことに悩んでいる人もいます。

 男の子はチャンバラ、女の子はままごと、男子はズボン、女子はスカートと社会的につくられる男女の性差も、昔ながらの性差の型に嵌め込もうとするとする周囲の環境に息苦しさや辛さを感じている人もいます。

「脱コル」とは、女性を束縛するものの象徴とされるコルセットを外すことを意味します。   

 今、男性に都合のいい〝女らしさ〟を強いる環境に抗い、コルセットを脱ぎ捨てるように不本意な化粧や髪形、ハイヒールなどを止めて自分らしさを大切にしようとするする女性が増えているといいます。

 人は、環境が性差を決めるウナギではありません。女でも男でも、そのどちらでもないと自認する人も性差に縛られずに、ありのままの自分でいられる社会が住みやすいといえるでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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