日本の裁判は弱者に非情


 非正規労働者への退職金の不支給を巡る最高裁の訴訟で、駅の売店で10年勤めた70歳の原告の女性はこう訴えたかったといいます。

「退職金の不支給よりも、その扱われ方の不当さです」

 女性が会社に待遇改善を訴えると、担当者からこう切り返されたといます。

「そんなにお金が欲しいなら、どうぞ兼業でもしてください」

 女性の最後の勤務日には、社員の誰からも「お疲れさま」の言葉がなかったといいます。しかも、退職慰労パーティーには契約社員だけが招かれなかったというのです。

 女性が会社に求めてきたのは、まさに「誠実さ」です。

 しかし、最高裁は10月、退職金不支給は「不合理とまではいえない」と訴えを退けています。    

 彼女の思いが、少しでも晴れることはなかったのです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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