菅政権は過去の絶望を蘇えさせる

古代アテナイの疫病の記録には、こう記されています。

「医者たちは病気が何かわからず、自分たちがまず犠牲者になる危険にさらされた。患者たちは神殿に詰めかけて助けを求めたが、何の救いも得られなかった」

 悲惨な疫病の歴史的記録は神を信じる者や信じない者、善人、悪人、貧者、富者など老若貴賤の区別なく等しく命を奪い去られる衝撃を生々しく書き残しています。

「人の掟も神の掟もみな威信を失い、消えてしまう」

 そんな神も仏もない〝絶望感〟は、人々の医学への信頼の厚い今日ならば「医療崩壊」の恐怖と似ているでしょう。

 そんな不吉な言葉が、菅政権の度重なる〝無策〟から現実味を帯びてきています。全国各地で、コロナ禍の感染拡大による医療体制の危機が差し迫っています。

 実際、北海道旭川市の病院での大規模クラスター(感染者集団)の発生で、医療体制の逼迫が地域に連鎖的に広がっています。

 自衛隊の看護官が支援に入りましたが、新型コロナウイルス以外の診療にも支障が生じて医療従事者の疲労は募るばかりだといいます。

 コロナ禍の感染が広がる今、こうした医療崩壊の危機は全国どこの市町村でも起こり得ます。

 さらに大都市圏では大阪府が自衛隊の支援を要請し、感染者が1日800人を超えた東京でも医療逼迫が始まったと専門家が危機感を露わにしています。

 菅政権は旅行など人の移動促進に巨費をつぎ込んできましたが、感染が全国で広がると直ぐさま医療体制の逼迫や疲弊が露呈するお粗末さです。

 国民の多くは、この人物が日本のトップでいることに〝違和感〟を覚えています。閣僚のなかにも、東京オリンピックを開催したいというのに大人数で会食するという担当相もいました。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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