日本の田舎は人類消滅後の世界を想像させる


 東京から最寄りの空港まで1日1便、飛行機が飛んでいる東北地方の北部に位置する村は、将来の日本の姿を暗示しています。

 その村を訪れるために空港からは乗り合いのタクシーを頼むと、村から補助金が出ているので料金は手ごろです。

 タクシーの運転手は、タクシー利用の実態を明かします。

「空港から村へ行く人を乗せるのは月に4、5回です」

 コロナ禍もあって、来訪者の減少は凄まじいようです。

 途中、よく整備された広大な公園の脇を通っても、晴天に恵まれた気持ちのいい日和だいうのに人っ子一人見えません。 

 帰りに1日数便という路線バスを利用しても、ほとんど貸し切り状態です。もちろん、これで採算の取れる公共交通機関などないでしょう。

 村の人口密度は1平方キロ当たり8人で、最も多い年代は70歳代です。住民は、年を取ってクルマを運転できなくなったら移動手段が失われます。

 人口統計は、嘘をつきません。そして日本の人口は、100年で半分になるペースで減り続けています。村はその先進地であり、いずれ日本の大半のエリアはこうなっていくでしょう。

「人類消滅後の世界」

 日本の田舎を見ていると、そんな言葉も頭に浮かんできます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000