政治に翻弄されるよりましだ


 セルビア南部の古都ニシュは、かつてJリーグでも活躍した元世界的サッカー選手ストイコビッチさん(愛称ピクシー)の故郷です。

 1999年、セルビアは北大西洋条約機構(NATO)の空爆を受けています。ニシュにも、当時の傷痕が残っています。当時、サッカークラブの経営は苦しく、選手は他国への移籍を夢見ていたといいます。

 空爆中、名古屋グランパスエイト所属だったピクシーは、「NATOは空爆をやめよ」と英語で書かれたアンダーシャツを着て試合に臨んでいます。ファンに、その文字を見せて抗議したのです。

 そのピクシーが、アルゼンチンの英雄的なサッカー選手マラドーナさんの死にコメントを出しています。

 90年ワールドカップ(W杯)準々決勝でアルゼンチンに負けた際、マラドーナさんから「君には明るい未来しかない」と励まされたといいます。

 マラドーナさんも現役初期に欧州移籍がなかなか実現せず、水面下で軍事政権が引き留め工作をしていたと見られていました。

 両者の

 引退後のサッカー界は、欧州を中心に経済が支配する世界に変貌しています。経済と言えば聞こえがいいのですが、巨額移籍金が飛び交うマネー優先の世界になっただけのことです。

 ただ、それも「政治に翻弄されるよりましだ」とも思います。2人の天才も、そう思っていたことでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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